2024.11.04

森の宝石に名付けられた名前は

当農場の温室内ではエバーフレッシュの実がたくさんなっています。

ねじくれた赤い鞘から黒い種子が出てくる様子はかなり奇怪です。

 

エバーフレッシュは日本国内でも自生しているネムノキの仲間です。

この仲間の特長は夜になるとまるで眠るように葉を閉じることで知られています。これは葉から水分の蒸発を防ぐため、と言われています。どうせ暗くて光合成ができないなら眠ってしまおう、という大変合理的な性格なのです。

ただ私達の仕事がら、その性格が困ったことになるときがあります。

トラックの荷台でも暗いせいか日中にも関わらずよく眠ってしまうのです。深く深く。

お得意先に到着して、お客様に見せるときに、なんだか元気なく枯れているようになってしまっている、なんていうことはよくあります。

エバーフレッシュの正式にはコヨバ・アルボレア・アングスティフォリアなんていう舌を噛みっぱなしになる名前がありますが、おそらくよほどの専門家かモノ好きでない限り、この名前は誰も覚えられないかも知れません。

日本に自生しているネムノキとこの熱帯アメリカ原産のエバーフレッシュの違いは落葉するかどうか、という点が大きいです。エバーフレッシュは常緑樹です。

 

そして近所の山を歩いている時も奇抜な実を見つけました。

 

この赤ピンク色のガク片に青緑色の実は山の森のなかでは強烈に目に焼き付きます。

「シャシン ニ トローカ」

私が興味深く眺めていると、もうすぐ4歳の息子が気がきく事を言ってくれました。しかも手に取って待ってくれています。では一枚。

 

しかし宝石みたいな実だな、とその名前を調べてみることにしました。きっと素敵な日本語の名前が付いているのだろう、と。

ジュウニヒトエ、とかハナイカダ、のように。

「クサギ。枝や葉をちぎると臭気があることから名づけられた。漢字で臭木」

「………」

もうちょっと気の利いた名前ないのかよ、と思ってしまいます。しかも実際それほど悪臭というほどでもなく、古くから青色の染料として利用するほど重宝されていたようです。

 

そしてパステル調のカラフルな実も見つけました。ノブドウです。

「シャシン にトローか!」

鮮やかなコガネムシです。

「シャシん ニ トロウ!」

腐りつつある葉っぱ!

「しゃシンに トロウ!」

 

……なんでもいいようです。

「埼玉日髙農園 サトウ」