2025.04.26

余力がないとできないお花見

都心の桜はすっかり葉が茂ってしまいました。

が、山のほうはそこからが見頃です!

スギ花粉が一段落したこの日、4歳の息子を連れて山に入りました。

山道に入ると足元に桜の花びらが。

見上げると、期待通りヤマザクラが満開です。

ヤマザクラは山中にぽつぽつとあり、そして街なかで見る目線の高さのソメイヨシノよりもはるか樹高があり、また山は足元を見ながら歩きがちなのでヤマザクラは見つけづらい感はあります。

 

そういうわけで、この足元に落ちている花びらが見つけるポイントになります。

 

慣れてくると、息子も得意になって教えてくれるようになりました。

「ヤマザクラ、アソコダヨ!」

ヤマザクラは日本の固有種で、山地に咲いてるサクラをヤマザクラと言うこともありますが、正確には「ヤマザクラ」という品種があります。

その大きな特徴は新芽の芽吹きと同時に開花することです。

そして野生種のため個体間の変異が大きく、同じ地域内でも個体ごとに開花期が前後します。

サクラのお花見は日本では文化のひとつとして昔から楽しまれて来ました。栽培品種のクローンで同一地域て一斉に咲くソメイヨシノが現代のお花見の対象ですが、それが普及するまではお花見といえばヤマザクラでした。

ソメイヨシノには華がありますが、山で見つけるヤマザクラには風情があります。

 

山は標高差もあり開花のズレも大きいので、長くお花見登山が出来ますね。

息子はもう山道にも慣れたもので、すいすい登って行きます。

「ヤマザクラ、アソコニモアルヨ!」

 

「ああ、ホントだ」と私。

「ウエダヨ、ウエ! ズウーットウエ! シタジャナイヨ」と息子。

私はもう疲れて見上げる余力がないのでありました。

(写真/文 サトウ)