2025.06.15
真夜中に美人と出会ったかと思いきや
真夜中に街なかで見つけたのは、妖しげに咲く白い花。
こんなとこに月下美人が!と大きな期待と確信を抱き、家に帰ると「月下美人」について調べてみました。
滅多に見ない月下美人(ゲッカビジン)は数年に一度満月の夜にしか咲かないサボテン系の花、なんていうイメージしか持ち合わせていませんでした。
翌朝、再びその月下美人の所に行き白い花が朝日に当たっているのを見ると、逆の意味で確信しました。
あー、やっぱり月下美人じゃなかった…。
この花は月下美人にそっくりですが、クジャクサボテンという別の品種でありました。
月下美人とクジャクサボテンの違い。それはお互い花は夜に開花しますが、月下美人は朝にはしぼんでしまい、クジャクサボテンのほうは朝になっても咲き続けている点。そして月下美人は白い花だけですが、クジャクサボテンには赤い花もある点がもうひとつ。
これは疑い無しにクジャクサボテンでした。
だだ、ルーツは月下美人にあるそうで、交配と品種改良が重ねられたのがクジャクサボテンなのだそうです。
そして、月下美人の花は数年に一度満月の夜にしか咲かないという点ついて、実際は月の満ち欠けとは無関係で生育環境によっては年に2〜3回花を咲かせるのだそうです。
それでも真夜中に咲くあんな妖艶な白い花にはそんな逸話が生まれてしまうには十分なスピリチュア性がありますね。
クジャクサボテンの原種である月下美人の原産地はメキシコからアルゼンチンにかけて。
そんな所で本物の月下美人の花を見てみたいものです。
花言葉は「危険な快楽」。
ますます興味深くなってしまいました。
さて関東も梅雨空の日が続くようになりました。
郊外に出ると栗の木の花が満開です。
栗の木の花は雄花と雌花に別れており、あの特徴的な薄黄色の長いヒモ状の花は雄花で、雌花はその穂の基部にちょこんと付いています。
栗の花が落ちる頃には、すっかり梅雨に入っていることから「栗花落」と書いて「つゆり」と読みます。
栗は昔から全国で生活に身近な存在であったことの現れで、植物と季節の流れとが結び付いた美しい日本語ですね。
(写真/文 サトウ)