2025.09.20

食べられないための作戦

 

私の実家の畑では様々な野菜が収穫できます。

スイカは暴れるように自由に育ち、栗も収穫時期を迎えました。

オクラはハイビスカスのように立派に花を咲かせ、実は巨大化してしまいました。小さい食べ頃なものを取りましょう。

さあ、次は落花生の収穫ダヨ。

私の息子も興味津々でジイジの後をテコテコ付いて行きます。

 

南米アンデス原産の落花生と人間の歴史はとても長く、ペルーでは紀元前2500年前の遺跡から大量に出土されているそうです。

 

落花生の興味深い点は、他のマメ科の植物と違い地中に実を付けることです。

落花生はどのように実を付けるか?というのはこの植物を取り扱う世界に入るまで特に考えることもありませんでしたので、それを知った時は驚きと摩訶不思議な印象を持ちました。

実際、落花生がヨーロッパに伝わった当初はマメの常識とかけ離れた奇妙な存在として、あまり普及しなかったようです。

落花生はその花が咲いた後、その茎の一部が地面に向かって伸ばしそのまま地中に潜って実を付けます。落花生の殻の独特な網目模様は地中のなかで成長する際の水や栄養の通り道の跡です。

ぷちぷちと茎から落花生のさやを取る作業は息子が大ハマり。

 

翌日も落花生取りに夢中です。

 

そしてひとつの疑問が

なぜわざわざ地中に潜り込むのでしょうか?他のマメの木のように空中にぶら下げてしまえばラクなのに。

また植物には子孫繁栄と繁殖地拡大という野望が常にあるため、本来なら鳥や動物に種を食べてもらって遠くに落としてもらいたいはずです。

 

それは落花生の原産地の環境と種の性質に原因があるようです。

原産地である南米の厳しい気象環境に比べると地中のほうが生育環境が安定しています。それがひとつ。

そして落花生の種は大きく消化されやすい性質を待っています。動物に食べられてしまうと種そのものが砕かれたり消化されたりして「動物に種を運んでもらう」という効果は期待出来ません。

 

ならば、

ならば、食べられないよう地中に隠れよう、と土のなかに潜り込んでしまったのです!

 

いやあ、おもしろいですねー。

 

ただいまサトイモが大成長中!秋になったら収穫です。

 

(写真/文 サトウ)