2019.01.20
像の足と目玉の木
寒さはまだまだ続きますが温室内は高温多湿の熱帯雨林気候を再現しております。
今回は温室を見回っているうち、ちょっとおもしろい植物の一部分が目についたので、それを切り取ってみました。
コウモリラン(ビカクシダ)
ウラボシ科ビカクシダ属。東南アジア、オーストラリア、マダガスタル等世界の熱帯地域原産。
コウモリランはその名前が示すようにコウモリが羽を広げたような、あるいは鹿の角のような葉が特徴ですが、この植物は写真のように根元に別の葉があります。これは貯水葉といって、水分や養分を蓄える働きがある葉です。この手のひらを広げたような葉は、上から落ちてくる落ち葉、虫の死骸、鳥の糞を捉えてそれを養分として吸収する働きを持っています。
セローム(ヒトデカズラ)
サトイモ科フィロデンドロン属。熱帯アメリカ原産。
この仲間は蔓性植物ですが、生長すると茎が木質化して太くなって直立するようになります。古い葉が落ちると、目のような跡がつきます。
ハマユウ
ヒガンバナ科ハマオモト属。日本の房総半島から沖縄にかけての海岸に自生。
ハマユウは白い花に目を奪われてしまいがちですが、葉も美しいです。
オーガスタ
バショウ科ストレリチア属。マダガスタル、南アフリカ原産。
この植物は幅のあるとても長い一枚葉が大きな特徴ですが、茎の部分も生長し木質化するとこのような存在感をもつようになります。
ノリナ(ポニーテール)
キジカクシ科トックリラン属。メキシコ原産。
根元が大きく膨らんでいるのは、水分を蓄える機能になっています。メキシコ原産ということからわかるように強い乾燥に耐えられるように進化してきた植物です。その外見から「像の足」と呼んでいる地域もあります。葉の付き方から呼び名のついた「ポニーテール」とはずいぶんイメージが違いますね。
(埼玉日高農園、サトウ)