2020.06.14
紫陽花とアルミニウムの関係
コロナウイルス対策としての緊急事態宣言がようやく解除され、「STAY HOME」と叫び合うことはなくなりましたが、季節は進み梅雨入りとなりました。雨の日はせっかくの外出も億劫になってしまうところです。それでも出歩いてみると街なかは紫陽花で彩られていることに気づきます。家に引きこもり続けていたせいか、雨のなかの散歩も気持ちがいいものです。
それでは紫陽花のお話し。青や赤の紫陽花の花びら。実は花びらではなく「ガク」と呼ばれる花の一部分です。そのガクは装飾花と呼ばれていて、実際の花はその中心の丸い部分なのだそうです。
紫陽花の色は土壌のPh値で決まると言われています。土が酸性なら青。中性、アルカリ性なら赤に色付く傾向があります。どうしてでしょうか、と調べるとまたまた登場です。アントシアニン!このブログで度々登場するアントシアニン、紫陽花の色にも深く関わっていました。ざっくり簡単に説明すると土壌に含まれているアルミニウムは酸性に溶けやすく、それを紫陽花が吸収し元々赤系の色素を持つアントシアニンと結び付くと青色になります。土壌が中性、アルカリ性の場合はアルミニウムは溶けず吸収されないので、紫陽花の色はアントシアニンの赤色がそのまま現れるわけです。ただ全てがそうなるとは限らず、品種だったり土壌の別の成分の影響だったりするので、単純にPh値だけで色が決定されるわけではないようです。写真のような赤青混合は根から吸収するアルミニウムの量に差があるからだとか。また白色の紫陽花は品種改良によりアントシアニンを持ってないので、酸性アルカリ性どちらに傾いても色付くことはないそうです。
さて、観葉植物の再生の仕事は必要な剪定を終え、風通しの良い夏用ネットハウスに移動させ、一段落です。冬の寒さにも丈夫なコルディリネの植木たちはこの期間に丈夫な葉を茂らせ、冬季の出番まで力を蓄えます。
フィカス・ウンベラータはあっという間に新芽が吹き、葉を広げて行きます。もうすぐ仕上がってしまう勢いです。
ウンベラータの新芽にも生まれたばかりの葉っぱを強烈な紫外線から守るための赤系のアントシアニン色素が出ているのがわかります。
フィカス・アルテシマも葉の展開がスピーディーです。
葉の色は太陽光をしかっり当てるほど鮮やかになります。
来月はもう七夕です。市場への出荷が始まっており、その準備に忙しい毎日です。今年も願い事がたくさんありますね。
こちらは来年用の竹畑。手頃なサイズの新しい竹がたくさん出て来てくれました。このまま行けば来年もたくさん七夕用の竹が作れそうです。でも来年は今年のような全人類共通の願い事ではなく、とても個人的でとてもささやかな願い事でいっぱいの短冊であふれることを願っています。
(埼玉日高農園、サトウ)