2020.11.23

アントシアニン効果の強いもの

街なかも葉がすっかり色付き、桜並木の一部では落葉も始まりました。

赤く色付いて落葉した桜の葉っぱです。

冬に向かって気温の低下、乾燥、日照時間の減少などが原因で、葉の緑色を形成している葉緑素(クロロフィル)が減少すると有害な紫外線が入り込みやすくなります。その紫外線から守るため自ら赤い色素を持つアントシアニンを生成します。これが紅葉した赤色の正体です。同じ一本の樹木でも枝の先端の葉は紅葉していて、地面や茂みに近い葉はまだ緑色、というのも見られますが、これは枝の先端ほど冷たい風が吹き抜け、乾燥しやすい条件だから赤いアントシアニンが生成されやすいと考えられます。

緑色が濃く寒さに強い常緑なイメージのアイビーも条件によっては赤く色付きます。

日本の冬の風物詩でもあるサザンカやツバキは葉が赤く色付くことはありません。

これは葉の表面がテカテカとしたクチクラ層という物質でコーティングされていて、それが寒さや乾燥から葉の葉緑素を守っているからです。

ちなみにクチクラとはキューティクルのこと。「キューティクルな髪質」と表現されるようにヒトの髪の毛の一番外側を覆っている物質で、それが潤ったツヤツヤな髪を維持してくれているわけです。

街なかでは「レッドロビン」という樹木を家の垣根に使われているのを多くみかけますが、その特徴的な赤い新芽もアントシアニンの色素です。ただこちらは冬の寒さ乾燥で弱体化した葉緑素を守るためというより、新芽の生まれたばかりの葉緑素を紫外線から守るために生成されます。

そして快晴の休日、「アントシアニン狩り」で農場の近所の山に入りました。

採ってきたのはノイチゴ!

イチゴの「赤」もアントシアニン色素です。アントシアニンを含む食品の摂取は視力・視覚機能の改善や眼精疲労の予防だけでなく動脈硬化や血栓症を予防する効果もあるそうです。しかも栽培品種よりも野生種のほうがより多くアントシアニン効果が期待できるとか!

というわけで美味しくいただきます!……といっても格別甘酸っぱいという訳でもなく中に入り込んだ虫にも注意を払いながら、ですが。

農場の方は遮光ネットだけのハウスで育てた観葉植物の引っ越し作業が終わりつつあります。観葉植物の多くは熱帯原産で日本の冬は屋外では越冬できないために温室へ移動させます。

写真のシュロ竹の類は観葉植物のなかでは寒さに滅法強く、東京都心部では越冬できますが、ここ埼玉では冷たい風により葉の傷み、変色が出る恐れがあるために温室に入れます。シュロ竹・観音竹は中国ではとても縁起の良い植物とされ、冬の寒さにも強い植物ということもあり、この時期から需要が急速に伸びる植物です。在庫をできるだけ多く蓄えて、出荷態勢を整えています!

(埼玉日高農園、サトウ)