2021.11.30

葉っぱを色付かせる様々な理由

都心も朝晩の冷え込みが一段と強くなり、樹々の葉の色付きがピークを迎えています。都心もイチョウの葉が黄色く輝くようになりました。

今回は葉の色付きについてお話しいたします。

葉のなかには緑色の色素を持つクロロフィルと黄色の色素を持つカロチノイドが含まれています。緑色のクロロフィルは光合成をして栄養分を作っていますが、秋になって光が弱くなってくると、光合成から作られるエネルギーが小さいためその必要がなくなり緑色のクロロフィルは分解されます。分解が進むと黄色のカロチノイドだけが残り、葉が黄色に見えます。また緑色のクロロフィルは空気の乾燥にもその分解が促進されるようです。イチョウが黄色くなるのは以上のことからです。

赤く紅葉する葉には、赤い色素のアントシアニンが作られています。

光合成をしていた緑色のクロロフィルの減少によって逆に太陽光が有害となり、その紫外線を吸収するために赤いアントシアニンが作られます。このアントシアニンがたくさん作られる葉は真っ赤になります。同じ一本の木でも太陽がまんべんなく当たる場所ほど赤い葉が多いのはこういった理由からです。

ビワやツバキは葉の表面に乾燥を防ぐ物質でコーティングされているため、冬でも緑色を保っています。

 

さて、12月に入りクリスマスが近づいてくると、その代表的な花であるポインセチアが街なかで目立つようになってきました。ポインセチアといえば赤が主流ですが近年は白、ピンク、黄色と様々な品種が出回るようになりました。

このポインセチアの「赤」にもちゃんとした理由があります。

ポインセチアの「花」は真ん中の非常に小さな部分です。赤やピンクに色付いた部分は「苞」と呼ばれる葉です。

この小さすぎると言ってもいいくらいの花のまわりの葉っぱを赤くさせる理由は、受粉させる虫をおびき寄せるため、という興味深いものです!

ポインセチアのの花は小さすぎるせいで虫に気づいてもらえないため、まわりの葉を派手に赤くさせたのです。

紅葉の「赤」とは全く違う理由で面白いですね。

このポインセチアですが、お花屋さんで購入したものの、すぐ枯らしてしまう、という方も多いかもしれません。ここでいくつかポイントを紹介しておきます。

ポインセチアは太陽の国メキシコ原産。光が大好きです。あまり寒さにも強くないのでできるだけ日当たりの良い室内に置いてください。エアコンの温風が直接当たる場所は避けましょう。

原産地同様、乾燥に強いので、水を与えすぎないようにしてください。しおれていたら水が足りないというよりも寒さが原因のことがあります。暖かい所に移せば復活するかもしれません。

これだけおさえておけば案外丈夫なお花です!

(埼玉日高農園、サトウ)