2022.01.30
熱帯植物園探検記
もうまもなく2月となり寒さが一段と厳しくなりました。
そんな寒い寒いある休日、1歳2ヵ月の息子を引き連れて行くべきところは……。
熱帯植物園です!
館内は熱帯地方の環境が再現されており気温は28度、湿度もじっとり。まだよたよたながらも歩くことができるようになったばかりの息子を自由に好き勝手に歩かせてみることにしました。
とりあえず葉っぱをべちべち。葉の触り心地を確かめます。これはオオタニワタリ。ちょっと硬めで長い葉っぱがおもしろいようです。親として心配なことはその葉が有毒ではないか?ということです。特に熱帯の植物には有毒なものが多く指に付いた樹液を口に入れたりするので注意が必要です。オオタニワタリは沖縄では新芽を食用にするほど。これは大丈夫でしょう。
べちべち。べちべち。飽きずにいつまでも叩いております。
次に興味を引きつけたのは赤い花。街なかでも赤い車や赤いポストなど「赤いもの」にすぐさまみせる反応はここでも。これはエキスナンサスの花です。息子の小さな指と同じ位小さな花ですが見逃しません。とりあえず指を突っ込みます。
ぐいぐい。ぐいぐい。
エキスナンサスはインドやマレーシアで自生する着生植物です。着生植物とは土のなかに根を張らず樹や岩に根を張り付けて生育する植物のこと。園芸品として流通しているものは普通に土に植えられているので、自然界のものとは違いがあります。
ぐいぐい、ぐいぐい。
エキスナンサスの花言葉は「恥じらい」。……もうそのくらいにしなさい、と先へ促します。
立札にも興味を持ちます。
今度は大木の幹を叩きます。
ぱすぱす。ぱすぱす。
あれ?ぺちぺちじゃない。
これはアコウの木。枝から幹に沿って気根を垂らして複雑な形状になっています。幹のなかは少し空洞なのでしょうか?なんて事を想像までしなくても、とにかくなんでも叩きます。
滝の近くにはシュウカイドウとピレア。かたやツルツルの葉。かたやブツブツの葉。これもペタペタ、プツプツ、と葉を叩きます。
まてまて、シュウカイドウには茎に毒を持っているぞ。多量に摂取すると下痢や痙攣の症状が出るとか。…まあ食べてしまわない限りは大丈夫か。
口に入れてしまわぬよう見守りながら好きにさせます。
夢中でそこから全く動く気配がありません。滝のしぶきでびしょびしょ。
排水口にも立ち止まります。
消火器にも立ち止まります。植物も館内設備も全て平等に興味を持ちます。
歩き疲れるとハイハイで進みます。ここはモンステラの回廊。下が濡れていようと関係ないようです。自由に気根を伸ばしながら成長するとモンステラの葉は巨大化します。子供より大きな葉になっています。君も自由に進むがよろしい。
食虫植物のウツボカズラ。虫を食べる植物ですが、なぜ虫が引っ掛かってしまうのかというと、虫を誘う秘密があるようです。この袋のフタに蜜線があり、そこから分泌される物質に虫は誘われてしまいます。誘われた虫は袋の入口に止まりますが、そこがツルツルで滑ってなかに落ちてしまう仕掛けになっているわけです。花言葉は「甘いワナ」。そのまんまです。
しかしこのカタチ、息子好きそうだなあ。
ほらやっぱり指を突っ込みます。
ほじほじ。ほじほじ。
息子が虫だったらソッコウで甘いワナに掛かっていた事でしょう。
ほじほじ。ほじほじ。
ほら、行くよ。
食虫植物と間違われやすいランがあります。それがありました!
パフィオペディルムというランです。世界四大蘭のひとつなのだとか!花弁の一部が袋状になっています。そしてこれも袋のなかに虫を誘い込ませます。ただこれは受粉を虫に助けてもらう器官でもちろん脱出可能の袋です。
さすがにこれに指を突っ込ませるわけにはいかないので止めさせます。
そして今度は足元を流れる沢に興味。うつぶせになって手に持った枯れ枝を水に突っ込んでばしゃばしゃ始まりました。これにも夢中になってしまって全く動かず。
全身服もズボンもびしょびしょ。館内が熱帯気候で良かったです。
改めて熱帯の植物の形態の面白さに惹かれると同時に、子供の何にでも平等に興味を持ち遊びにしてしまうエネルギーってスゴイなあと感心する一日でありました。
(埼玉日高農園、サトウ)