2022.06.04
アジサイの色のつくりかた
アジサイの美しい季節になりました。
街なかで見かけるアジサイには赤、青、紫と様々です。このアジサイの色は土壌の性質によって決定されている、というのをご存知の方は多いかも知れません。
今回はそのアジサイの色を決定する土壌についてお話ししたいと思います。
アジサイには他のどの植物にもたいてい含まれている赤色の色素、アントシアニンを持っています。このアントシアニン色素のよってアジサイの花は赤くなります。
ところがこのアントシアニン、土壌中のアルミニウムと結びつくと青色に変化します。アルミニウムは酸性の水に溶けやすい性質を持っているため、酸性の土壌または水(雨)の条件では溶けたアルミニウムが根から吸収されアジサイの花は青くなります。逆に中性またはアルカリ性の土壌または水(雨)では土壌中に含まれているアルミニウムが溶けにくい状態であるため根から吸収されず、もともとのアントシアニン色素の赤色になります。
また、酸性の土壌なのにアジサイの花が赤に近い色のものは、年を取ったアジサイであると考えられます。それは根がアルミニウムを吸収する力が衰えてきているからだそうです。
最近出回っている白いアジサイはアントシアニン色素がもともとから含まれていない品種のため、どのような土壌でも色の変化はしません。
アジサイはまた咲き始めから満開までの間でも色が変化してゆきます。
最初は白に近い淡い緑色ですが、時間経過とともに赤や青になります。
これは開花期は葉緑素の影響の方が強く残っており緑色をしていますが、徐々にアントシアニン色素が生成されつつ土壌の特徴を含んだ色素が強くなってゆきます。
国内で自生しているアジサイに青系のものが多いのは、日本は火山の影響で酸性の土壌が多いためです。
最後に青色のアジサイを赤色に変える裏ワザを紹介します!
ここまで記したように理屈はカンタンです。
酸性の土壌をアルカリ性の方向へ持って行けば良いわけで、それには卵の殻を粉末にして土に撒くだけOKです!卵に含まれている炭酸カルシウムがその効果を発揮するのだそうです。
農場では得意先から戻ってきた植木の再生のため、剪定作業が急ピッチで進んでおります。
あまりにも伸びきってしまった木。
葉っぱがだらんとして元気がなくなってしまった木。
葉の色が悪くなってしまった木。
葉の付き方、枝ぶりのバランスが悪い木。
などの木を剪定して再生させます。
再び芽が出て成長した姿を想像しながらの剪定は、農場内における様々な作業のなかでも一番やりがいのある仕事のひとつです。
(埼玉日高農園、サトウ)