2022.08.20

恐竜時代から神聖で王者なもの

お盆休みに妻の実家に帰省すると近くの池ではハスの花が咲き誇っていました。

先月のこのブログで紹介したホオズキと同じくこのハスの花もお盆のお花です。今回もこの「お盆のお花」から紹介したいと思います。

ハスは池や沼の底の地中の地下茎から水面まで茎を伸ばし葉を広げる水生植物です。茎には通気のための穴が通っています。地下茎はあのレンコンです。ハスの花とレンコンが同じ植物とはなかなか思えませんね。

このように泥のなかから出てきて、汚れのない美しい花を咲かせることから清らかさの象徴としてハスは太古から扱われてきました。ハスの原産地でもあるインドではインダス文明の頃から神聖なるものとされ、仏教では多くの仏具や仏教画にハスの花があしらわれており、仏道の象徴とされてきました。花言葉にも「神聖」「清らかな心」という意味を持っています。

ハスの花の花期は7~8月。早朝に咲き、昼には閉じてしまいます。午後も咲いている花はもう散ってしまう花です。葉の表面には水を弾く特殊な構造を持っており、泥水などが茎の内部に入り込むのを防いでいます。お盆では迎え火や送り火の際、火を消すためにハスの葉に水を貯める風習がありました。

花が終わり実を付けた姿も個性的です。これはフラワーアレンジメントや生け花でも使われています。

ハスは1億4000万年前(白亜紀、恐竜時代!)からすでに存在していたといわれ、驚異的なところはその発芽能力。果実の皮はとても厚いため、土の中で発芽能力を長い間保持できます。2000年前(弥生時代)の遺跡で発見されたハスの果実が発芽した、という例もあるそうです!

 

ハスが1億4000万年なら、こちらも負けずに1億年の歴史があります。

エキゾチックな要素たっぷりのプロテアです(写真の花は開き切ってしまっています)。

こちらは南アフリカから熱帯アフリカにかけて100種ほど分布しており、大きいものでは花の大きさが直径30センチほどにもなります。

花は1本の枝に1輪の花のように見えますが、頭状花序という数多くの小さな花が集まってひとつの花を形成しています。花びらは「ガク」の集まりです。

プロテアは多様な形があるため自由自在に姿を変えることができるギリシャ神話の神「プロテウス」にその名の由来があります。花言葉にも「自由自在」というものがあり、他には「王者の風格」などです。

プロテアの花は自生地には昆虫ではなく鳥が蜜を吸いにやって来るというのは興味深い点です。オナガミツスイという鳥が受粉の役目をしております。

このプロテア、園芸店で手に入りますが南アフリカと日本では気候がかなり違うので注意が必要です。耐乾性ですが、高温多湿には弱い傾向があるので、日本の夏では乾燥気味にして風通しの良い半日陰がベストです。開花期は5~10月。蕾が開花するにはたくさんの水が必要で、あまり乾燥させ過ぎると花が咲かずにそのまま枯れてしまうこともあります。乾燥気味に水たっぷり?この矛盾を調整しながらの世話がまた難しいところであり楽しいところなのでしょう。

(埼玉日高農園、サトウ)