2023.07.23
天然の盆栽仕立てを探しつつ
毎日毎日強烈な暑さです。ここ埼玉県日高市の隣町の鳩山町では先日39.6℃を観測しました。
もともと熱帯地方原産の植物が多いとはいえ、日本のこの暑さは異常です。温室内は強烈な日差しによる葉の日焼けを防ぐため、日差しを遮る寒冷紗を張り、温度の上昇を抑えるために水を撒き、この暑さをやり過ごしています。
真昼の作業はニンゲンも参ってしまうので、活動的な作業は夜の方が効率的です。
というわけで夏の休日の日中は近くの山に入り「沢登り」です!
たとえ平野が39℃でも山の谷筋には暑さというものはほとんどありません。
この日は2歳児でも楽しめる沢を歩きます(といっても整備された公園ではないので、道はないし不規則な石はゴロゴロ・ギザギザ、苔でツルツル、転んで怪我、虫刺されは当然のうえですが)。
石を裏返せばさっそくサワガニ発見です。息子も飛び跳ねて大ヨロコビ。
「サワガニ」は日本固有種。水の綺麗な渓流に生息しているため、水質判断する際の指標生物とされているそうです。「カニ」と呼ばれるものは一般的に幼少期を海で育つものですがこのサワガニだけは一生、海へ下りずに淡水で過ごします。
かわいいなあ、と手の平に乗せて遊んでいると、足元では息子があてずっぽうに石をひっくり返しています。「サワガニ探し遊び」を覚えたネ。
沢沿いの岩場にはユキノシタが自生していました。
沢で見かける草花にはある種の感動があります。
このユキノシタ、比較的環境変化に強く、家庭でも育てられるためミニ盆栽として人気が高まっているそうです。
得体の知らない生物がザブザブヨタヨタと沢を上がって来るのに警戒しているのはミヤマカワトンボです。
森林に囲まれた渓流に生息するこのトンボは自分のなわばりを守るために距離を置きながら我々にくっついてひらひら飛んでいます。その姿はまるで宝石!赤い羽根に金属光沢のある青緑色をした胴体をしています。
警戒心が強くすぐ逃げてしまいますが、なんとか虫取り網で捕まえ、じっくり見物。
「バイバーーーイ」
トンボを手放すと息子は元気よく手を振ってトンボが飛んで行く姿を見届けました。昆虫採集はこの程度で充分。
ヨタヨタツルツルおぼつかない足取りの息子の手を引いて沢を上がって行くと、大きな岩にオオバギボウシが咲いているのを発見!今度は私が跳ねて大ヨロコビです。
よくご家庭の庭先や庭園で植えられているギボウシよりもはるかに葉が大きく、なによりも野生趣に満ち溢れています。そして現在進行形で花を咲かせています!
天然の大岩に直に根付いて芸術的に花芽を伸ばして。まさに自然が手掛けた特大盆栽ですね。
山のなかではこういった出会いがおもしろいなあ、なんていつも思います。
(埼玉日高農園、サトウ)