2025.03.09

チューリップ・バブル

早いもので草花の市場ではもうチューリップが出回っています。

今日でも大人気のチューリップですが、その歴史を紐解くと、これがなかなか興味深く、国の経済を混乱させるほどの出来事が17世紀初頭のオランダで起こったことが知られています。

 

当時のチューリップの市場では、複数の色が炎のように絡み合い縞模様になったチューリップが注目を集め、そういった珍しい品種のチューリップの球根が高値で取引されるようになりました。

今で言う「バブル経済」の元祖とも言える出来事で、投資家は夢中になりそれらを買い求め、ピーク時は当時の熟練した職人の年収の10倍以上の価格(たった1個の球根が!)で取引されていたそうです。

 

このチューリップバブルと呼ばれる経済的事件の主役であった「複数の色彩の複雑な縞模様」のチューリップは今では生産されていません。

実はそのチューリップにはチューリップ・モザイク・ウイルスに感染している病気のチューリップだったことが明らかになっています。これに感染したチューリップは奇怪なまだら模様が現れるそうです。

 

花そのものの仕組みや進化も面白いですが、こういった花と人間との関係の歴史も興味深いですね。

 

(↑配合と改良を重ねた現代のマーブル調のチューリップ。もちろんウイルス感染しているものではありません。)

 

 

都内では極端な気温差が続いています。

こんな環境下でもアガベが花芽を天空に伸ばしているのを再び見かけました。アガベが花を咲かせるのは数十年に一度と言われていますが、このシーズンはあちこちで花を咲かせているようです。温暖化でアガベ元々の原産地(=メキシコ)の環境に近くなった影響でしょうか。

 

まだまだ色彩に乏しい3月初頭の日本の早春の朝。遥か遠くからでも目に飛び込んで来る強く鮮やかな濃いピンク色は……

河津桜です!

先日までまだ堅い蕾で1,2輪だけ咲いていた早咲きの桜である河津桜は、初夏の暑さになった日に爆発するように満開になりました。

その後は雪になるほどの厳しい寒さが戻り、おかげで花持ちがとても長く感じます。

 

そして

もうすぐ染井吉野の出番ですね!

 

(写真/文 サトウ)