2024.01.28

花より実が先?

都内各地ではもう梅が見頃になっています。東京では本当に厳しい寒さだな、と感じる日はほとんどなく、梅の開花は平年より13日も早かったそうです。鹿児島ではなんと21日も早い開花だったとか!

 

先日立ち寄った公園で赤い梅の花と思い近づいてみると、それは赤い実がたくさん付いている樹木でした。

これはサンシュユの実です。

サンシュユはミズキ科ミズキ属の落葉小高木。この赤い実は前年の秋に結実したもので、年を越えて1月後半の今でも実を付けています。この赤い実が特徴でもあるため、アキサンゴ、ヤマグミという別名も持っています。

 

サンシュユは梅や桜のように葉が開く前に黄色の小さい花を咲かせます。開花は桜より早い時期なので、もう咲く準備が整っていることでしょう。実がいまだに付いていてその後花が咲くので、もしかしたら(植物の仕組みをまるで理解していなかった以前の私のように)実がなって花が咲く、と勘違いする方もいるかもしれません。

 

サンシュユは中国原産で当初は漢方の生薬として江戸時代に持ち込まれました。

サンシュユの生薬には果肉が使われ、調べてみると「そのまま食べられるらしい」との記述が。

まあ、とりあえず、その実を食べてみましょう。

拾ってみます。

持ち帰ります。

ナイフを入れるとこんな感じです。

この果肉をちょいと食べてみましょう。

……甘みより酸っぱさと苦みが強く出るかんじでしょうか。口の中にしばらくエグみが残ります。。。

 

まあ、ビタミンCが豊富のようですが、実をそのまま大量に食べるものではありませんね。

この実は滋養強壮、疲労回復の目的て果実酒にしたり、漢方としては全身を温める効果があるそうです。

 

 

この時期の花はやはり椿やサザンカです。大きく咲き誇っていて、ひときわ目を引く冬を代表する花です。

 

そして花よりも注目したいのが葉っぱです!

マツ、杉といった針葉樹以外、ほとんどの葉が落葉してしまったこの時期、濃い緑色をツヤツヤさせながら冬の寒さに傷むことなく茂らせている様は考えてみれば見事です。

 

この葉にはそのツヤツヤに秘密があります。クチクラ層というが発達しており、それが冬の乾燥や寒さから身を守っています。クチクラは英語でキューティクル。そうです。美容の宣伝でよく耳にする髪の表層部のアレです。人間を含む全ての動物、植物にも体表面の保護のために持っている物質なのでした。

そう聞くと「椿油」はものすごくよく効果がありそうな気がしますね。

(埼玉日高農園、サトウ)