2023.01.22
寒さを乗り越える秘訣
実家の山あいの町に帰省しました。例年ですとこの時期は多少の積雪があるのですが、今年はまだ雪は見られません。
とはいえ、朝は氷点下5度以下まで下がり、周囲はまさに枯野といった趣です。
そんななか足元を注意深く歩くと、枯れた花、葉っぱ、そして冬越しの種子、寒さに耐える畑の葉物など興味深いモノが様々です。
それぞれの形やその質感を感じてもらいたいので、色を消したモノクロで表現してみました。
そんななか色彩のあるモノが!
寒い冬でも咲き誇るパンジーです。
パンジーは寒さに非常に丈夫な植物で、雪で埋まってしまっても低温にさらされて凍結してしまっても枯れてしまうことはなく、雪や凍結が解けた後は植物としての活動を再開します。
朝は表面が凍り付いていますが……
日中には復活します!
そんなパンジーの生まれは北欧。1800年代に北欧の園芸家による各種の野生のスミレの交配によって誕生しました。
生まれが北欧だけあって寒さには強いですが、暑さには非常に弱いです。気候の違う日本の厳しい夏の暑さは基本的には乗り越えられません。やはり冬から春にかけての花として楽しみましょう。
花は人間の顔に似て、深く思想にふけるかのように前に傾く姿からフランス語の「思想」を意味する単語「パンセ」から名付けられました。
パンジーの小型のものはビオラと呼ばれていますが、現在はそれらが複雑に交配され、厳密な境界はあいまいになっています。
↑朝にうなだれていてもすぐに元気になります。
そしてパンジーは近年エティブルフラワー(食用花)としても人気を集めています。ビタミンĄ、ビタミンC、βカロチン、食物繊維を多く含み、それはレタスのような味と言われています。色彩の乏しい冬のサラダとして使うのが人気のようです。
↑ 霜が降りようが霜柱に埋もれようが大丈夫です!
ここでパンジーなど厳しい寒さの冬でも咲き誇る花やその他の植物が枯れることなく生きている仕組みを簡単に説明します。
冬を生きている植物には細胞内を凍らせないために秋からその準備を始めています。細胞内に徐々に糖類やアミノ酸を多く蓄えることによって凍りにくい状態に自らつくっています。冬の作物の代表格であるホウレンソウが寒さが厳しくなると甘みを増すのは、自らの細胞内を凍らせないための自衛措置なのです。
このタアサイも冬の味覚ですね。こんな気候でも生き続ける秘密が細胞内にあったのでした。
それもより美味しくなるとは!
(埼玉日高農園、サトウ)